ウェブ解析士協会のWebサイトに寄稿しました。
ビッグデータはヘッドハンターを不要にするのか?
ウェブ解析士マスターの宮崎です。
僕はウェブマーケター専門の人材エージェンシーを営んでいるので、こんな記事が目に留まってしまいました。
How Big Data Is Playing Recruiter for Specialized Workers「ヘッドハンターに勝負を挑むビッグデータ」
内容を簡単にまとめます。
- Glidという会社が、プログラマーを採用する企業を支援するサービスを提供している
- それはビッグデータを分析して、候補者をリストアップするサービスである
- 分析対象は約300の変数である。
- 例)
- どんなサイトをよく訪問しているか?
- サイト上での発言のトーン&マナー(ポジティブかネガティブか)
- LinkedInで自己申告されているスキル− 過去に携わったプロジェクトとその期間
- どの学校へ通ったのか。専攻
- 入学時のその学校のランキング
- Glid社自身が、このサービスを使ってプログラマーを採用した。
- その候補者は大学へ通っていないので、通常の「採用フィルター」には引っかからないタイプの人物だった。
- その候補者は、自らが書いたコードが1000回以上も他の開発者に利用されるなど、プログラマーのコミュニティーで活躍していた。
記事を書いた記者の念頭には、ビッグデータを活用すれば、人間のヘッドハンターが不要となる未来、コンピューターが人間を失業に追いやる未来があったのかもしれません。ここで僕は二つのことを思いました。
その1
コンピューターが人間を打ち負かす分野は増えていますが、最も強いのは【コンピューター + 人間】のコンビなので安心しよう!
「機械との競争」という本に興味深いエピソードが載っています。
チェスの世界では、10年以上も前に、コンピューターが人間の世界チャンピオンを打ち負かしましたが、後年、コンピューターは「コンピューターの助けを借りた人間」に負けてしまいます。つまり…【コンピューター + 人間】が最強!というわけです。
人間がコンピューターに仕事を奪われ、失業者が街に溢れる未来予測もありますが、上記のエピソードは人間に希望を与えるものですね。ほっ。
Glid社のサービスも、人間ヘッドハンターを完全に駆逐するものではなく、それを上手く活用するヘッドハンターに今まで以上のパワーを与えるモノになるのでしょう。
▼その2
ビッグデータを活かすには、「活動の痕跡」が必要なので、みんなウェブ上で積極的に発言しようね。
Glid社のサービスが分析対象する変数には、候補者がネット上に残す「活動の痕跡」があります。実際、記事中の候補者はネット上のコミュニティーで活躍していた者でした。この文章を読んでいる皆さんはウェブマーケターやウェブマスターの方が多いでしょう。プログラマーのように「コードを投稿」することは出来なくとも、知見をブログで披露するなど、自らの力量を示したり評判を獲得することが出来るはずです。
ネット上に各種情報を書き込んだり「活動の痕跡」を残すことをプライバシー保護の観点から忌み嫌う方もいますが、何を公開し/隠すかは自分でコントロールすればヨイのだと思います。全てを晒す必要はないわけです。
ビッグデータ分析は「無意識の行動」から意味ある結果を導いてしまうので「意識的に」分析を拒むことはできないという反論もあり得ますし、この反論はその通りです。
でも、ウェブ上に「活動の痕跡」を全く残さない生き方が有利かというとそうとも言い切れません。転職市場には、同じポジションを狙う他の候補者もいます。その候補者が「活動の痕跡」をたくさん残すタイプの人物で、かつそれがポジティブな印象を残すものだったら…。採用側は「活動の痕跡」が存在せず「わけの分からない貴方」ではなくその人物に興味を抱くはずです。
自分の行動すること/行動しないことは「相対的に」自分の価値を変化させることへの留意が必要です。
*僕が思う理想的世界は…
- 人が過度な警戒感を持たずにウェブ上で活動をし
- 【コンピューター+人間】のコンビが、データ分析を元に、お客さん毎に最適化されたサービスを提供する
世界そんな世界が実現したら、ヘッドハンターもまた、分析される対象になるわけなので、求人企業&求職者から僕を選んでもらえるように頑張らないと、と思う今日このごろであります。
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